経営者は会社とともに、従業員の成長・育成にも配慮しなくてはなりません。

定着率を維持する人材育成の方法

人材育成をする男性のイメージ画像

 

あらゆる業界で人手不足が問題になっています。
リーマンショックから年月がたち「失業時代」から「人手不足時代」へとシフトし、現在の就職市場は空前の売り手市場だと言われています。

 

しかし、実際の現場は本当に売り手市場なのでしょうか?
皆様の会社ではどうでしょうか?

 

今回は、人材に焦点をあててみましょう。人材流出を防ぐ「人材育成」を解説します。

 

 

人材不足に悩んでいる企業

運送業界の人手不足が大きな社会問題になったこともあり、メディアでは就職市場を一括りにして「売り手市場」であるような伝え方がされています。
実際に、多くの企業で人材不足が深刻化しており、この傾向は今後さらに加速すると考えられます。
求人倍率に関するデータを見ても、倍率の平均値が年々増加し続けていることは一目瞭然です。

 

しかし、業種別に細かく調べてみると、業種による求人倍率格差が激しいことに気付くはずです。

 

建設業界、運送業界、介護業界、飲食業界は極めて求人倍率が高くなっています。

 

IT化が進んだこともあり、IT業界でも人材不足が深刻化しています。
その一方で、金融業やサービス・情報業と言った人気業種の求人倍率は依然低く、さらに下降傾向にあります。

 

また、業種だけでなく会社規模による格差も多くなっています。
人材不足に悩んでいるのは中小企業で、大企業やブランド企業の求人倍率はたいへん低く、今でも就活生にとって狭き門なのです。

 

 

人材流出を防ぐ

「終身雇用」「横並び人事」といった雇用慣行は終焉を迎えつつあります。
「転職」は一般的なものになり、働き方も多様化しました。
人材は条件面だけでなく、その会社で働くことでの満足度価値観に疑問を感じれば、転職します。

 

そのような疑問を抱かせる原因として非常に多いのが「間違った育成方法」のためによるものです。
せっかく貴重な人材を採用できたのですから、人材流出は防ぎたいものです。

 

人材の流動化が進む昨今で、高い定着率を維持している企業は、人材育成も優れています。優秀に育った人材が活き活きと躍動しています。

 

 

人材育成の手法

「OJT」「Off-JT」「SD」の違いとは?

 

人材育成における育成方法として「OJT」「Off-JT」「SD」の3つが主流となっています。

 

OJT

実際の現場の実務を通して行う育成手段で、世代を問わず有効な育成方法の王道です。
指導は主に上司や先輩が行い、一人で業務が行えるまで行います。
業務だけでなく、社内慣例なども教えていきます。

 

メリット
  • 実践的な能力が効率的に見につき、応用力の高いスキル習得につながる。
デメリット
  • 育成担当者の能力によって、育成の質に差が出る
  • 育成担当者の負担が大きくなる

 

 

Off-JT

集合研修や座学によって行う育成手段で、合宿で行うケースや外部講師を招くこともあります。

 

メリット
  • 現場の状況に左右されず、専門的な知識を均一に習得できる
デメリット
  • 研修コストと時間がかかる
  • 実務での即時性・実践力は期待できない

 

 

SD

書籍を読んだり、外部セミナーを受講して自らスキルの習得を図る自己啓発のことです。SDを推奨する企業の多くは、書籍購入費やセミナー参加費用を負担しています。

 

 

これら3つの育成方法を合わせて行うことが効果的です。
OJTに関しては必ず行うことになるでしょうが、通常業務をしながらの指導は簡単ではないため、OJTでは教育しきれない内容を、Off-JTとSDでしっかりとカバーすることが理想でしょう。

 

 

成長できる環境づくり

従業員の交流が活発な会社ほど、従業員満足度が高くなる傾向です。
また、会社としての組織力も強くなります。
常に意見交換を行ことができる環境があれば、従業員は新しい意見やスキルを吸収することにも積極的になります。

 

また、目標を明確にし、その成果に対して正当な測定・評価ができる環境をつくることで、従業員の成長意欲をかきたてることになります。
経営者は、会社の成長とともに、従業員の成長・育成にも配慮しなくてはならないのです。

ページの先頭へ戻る